能登半島地震の発生から1年半が経ち、営業再開にこぎつけた事業者も増えています。石川県によりますと、6月1日時点で奥能登地域では被災した事業者のうち仮設店舗の活用を含めると81%が営業を再開、このうち本格的な営業再開は49%になっています。
こうした中、珠洲市で江戸時代から続く伝統的な工法で特産品の七輪を製造する「丸和工業」は度重なる地震で被害を受け続けながらも、6月に3度目の再スタートを切りました。
丸和工業・石崎秀忠代表「希望の灯なんだよな」

珠洲市でとれる珪藻土を使って特産品の七輪を製造する丸和工業は、地震を経て6月2日、ようやく再スタートを切りました。
丸和工業・石崎秀忠代表「生産の製造の光を消したくないという思いが強かったんだよな。普通だったら、転職して楽な仕事すりゃあいい。意地っ張りだったのかね、性格的にな。悪い性格だったんだね。諦めが悪いんだ」
丸和工業は幾度となく地震の被害を受けました。はじめは2022年6月、震度6弱を観測した地震で、七輪を焼く窯が壊れました。

全国から寄せられた支援で、新たな窯をつくり、七輪づくりを再開しました。しかし、翌年の2023年5月、震度6強の地震が珠洲を襲い窯は再び崩れ落ちました。

再び七輪づくりを再開したのも束の間、2024年の元日の能登半島地震で、窯ごと工場全体が倒壊しました。

丸和工業・石崎秀忠代表(2024年3月)「やっと立ち上がって、やっていこうと思った時にこの震災があったからね。がっかりだね」