ポイントは「1人区」自民党の党勢の衰退がどう響くか…

藤森キャスター:
参議院選挙の鍵を握っていると言われているのが、全国30にある「1人区」です。石破総理は「新興政党の動きの分析が必要だ」とおっしゃっていて、かなり警戒しているようですね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
「1人区」というのは、地方の選挙区です。どちらかというと、経済もあんまり思わしくなくて、物価高の影響が直撃しています。そういう意味では、政権に対して不満が多いです。

その上で、自民党・安倍さんのときは保守派として右のエンジンをフル稼働していましたけど、岸田さんになって、石破さんになると、どちらかというとリベラル派寄りになってきました。「保守派」の右のエンジンがなかなか稼働しないんです。

加えて、「保守派」に参政党や保守党というグループが現れて、自民党内でも保守派側がどんどん侵食されているという現状が、自民党の苦戦の非常に大きな原因だと思います。

一方で、乱立模様だった「野党側」は少しずつ一本化が進んでいます。そういう意味では、与野党一騎打ちの「32にある1人区」が最大の焦点になると思います。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
自民党は与党として、どういうふうな訴求をしていくことがいいんでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
自民党は2025年、結党70年です。今まで、消費税を導入する、農業の市場開放するなど、国民にとっては苦い薬だけども、ときには党が結束し国民を説得して、苦い薬を飲んでもらってきた。

その自民党が全体の党勢が落ち込んでくると、そういう厳しいことも言えなくなって、ポピュリズムに走って、さらに党勢の衰退に繋がるという悪循環に今、入ろうとしているのだと思います。

藤森キャスター:
石破総理は、その都度その都度、その苦い薬を何とかこらえて飲んでもらおうとしてはいるのだけれども、またひっくり返ってしまうというのが、ここまでの流れですね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
石破総理は、確かに口では時々そういうこと言うんですけど、党内では少数勢力ですから、実行ができない。

そういう弱みが何となく出てきていて、それが選挙の中で批判を浴び始めているという状況ですね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身

田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰