北海道オホーツク地方で最大の自治体、北見市がいま、深刻な財政難に直面している。来年度から毎年30億円も不足するという市の財源。打開策はあるのだろうか?
◆《噴水が止まり…銭湯も閉鎖 危機的な台所事情》

新生“北見市”の誕生を祝うカウントダウン・イベント。思えば、なんとも華々しい門出だった。2006年、いわゆる“平成の大合併”で、北見市と周辺の3つの町は、1つの自治体になった。その広さは、札幌市をしのぐ、北海道最大の面積だ。
だが、合併から19年…北見市はいま、危機的な財政難に陥っている。
子どもたちの憩いの場では、噴水設備の水が止まり、50年以上も、地元で愛されてきた市営の銭湯は閉鎖された。ほかにも植物園などが廃止に…。
藤田忠士記者
「小さなこちらの公園、ここもネーミングライツの対象になっている」

北見市が管理する公園や道路の命名権も、いま売り出し中だ。“焼き肉のマチ”として知られる北見市の台所事情は、かなり深刻だった。
北見市 辻直孝市長(2025年2月)
「運用できる基金残高が、わずかであることなど、財政調整機能が大変弱い状況にある」

北見市ではもう何年も前から、“市の貯金”にあたる「基金」を取り崩し、財源に充ててきた。ところが、その基金が2026年度で底をつき、毎年30億円の財源不足になる見通しだ。