首都圏と北海道を結ぶ寝台特急「カシオペア」が、30日に最後の運行日を迎えました。
ホテル並みの豪華設備で多く人たちの旅路を支えた列車は寝台特急としては、30日で引退することになり、ファンに惜しまれながらのラストランとなりました。

寝台特急カシオペア。寝台車10両、食堂車とラウンジ車がそれぞれ1両と12両編成の列車が30日に最後の運行を迎えました。

宮城県名取市のJR東北本線では、29日に線路わきにカメラを持った多くの鉄道ファンの姿が見られました。

山梨から来た中学2年生:
「(鉄道写真は)10年くらい前から撮り始めた。カシオペアの写真を撮りに来た」

寝台特急カシオペアは、運行開始25周年記念として、28日から上野と仙台を往復する2泊3日のツアーが組まれ、臨時列車が県内を走行しました。

山梨の中学2年生:
「(ヘッドライトを)ロービームで通過してくれて良かった。ヘッドマークも撮れているので良く撮れました」

デビュー前に報道公開された映像です。

カシオペアは、1999年7月、上野ー札幌間で運行を開始しました。

JR初のオール2階建ての寝台列車で全ての部屋が個室。当時の最新技術が用いられた車両はホテル並みの設備ですべての部屋にトイレ、テレビ、洗面台が完備されました。

「ここがこのカシオペアで最も豪華なスイートルームです。普通のツインルームの倍くらいの広さがありますし、なんといってもこの風景を楽しむことができます」

ほかにも本格的なフランス料理が楽しめるダイニングカーやゆっくり寛ぐことができるラウンジカーが備えられ快適な寝台列車の旅を提供しました。

今回のツアーでは、参加者が仙台駅で列車を乗り換え宮城野区の仙台車両センターで、先に到着していたカシオペアを眺める催しなども企画されました。

そして、ここにも多くの鉄道ファンの姿が。

兵庫から来た人:
「何十年と活躍した車両なので一目みたいなと」

東京から来た人:
「最後だったので撮らないと悔いが残るかなと思って、見られて良かった」

そして、6月30日の仙台駅在来線ホームには、最後の運行を見届けようと約350人のファンが詰めかけました。

茨城から来た乗客:
「夜行列車が大好きで色んな列車を乗った中で、これ(カシオペア)が一番いい、景色を楽しんで、無事に上野に着けたらいいな」

ホームでは、駅員らが横断幕を掲げて見送りました。

午前11時45分、カシオペアが仙台駅を出発しました。

仙台市若林区内にある踏切にも、ラストランを見届けようとする鉄道ファンの姿が見られました。

鉄道ファン:
「8年ぶりくらいに鉄道の趣味を復活させまして。こうやって見送れて、乗れはしなかったですけど、すごく縁を感じる」

四半世紀にわたって多くの人に愛された寝台特急「カシオペア」。6月30日午後5時半過ぎに上野駅に到着し有終の美を飾りました。

JR東日本は「寝台特急としての利用は節目を迎えた」としていて、今後はイベントなどでの活用を検討していくということです。

上野駅から車両基地に戻る「カシオペア」 撮影・大内康光さん