2024年2月、札幌市北区のコンビニで刃物を持った男が店員を次々に襲い、1人が死亡、2人が大けがをした事件。殺人などの罪に問われた男の裁判員裁判が、6月23日から札幌地裁で始まりました。

【画像を見る】3人が殺傷された当時の現場 カメラがとらえた宮西被告

“統合失調症”よる幻聴や妄想が犯行のきっかけとなった今回の事件。なぜ被告を止めることはできなかったのか、傍聴席で考えます。(HBC三栗谷皓我記者)

初公判を迎えた札幌地裁(6月23日)

■読み上げられた冒頭陳述 殺傷事件の動機

「コンビニエンスストア等で女性が自分を避ける『異常』が起きている」。「“異常”が解消しなければ、最終的に自分が死に至るので、コンビニで殺傷事件を起こして警察官に射殺してもらおうと考えた」。

冒頭陳述で検察が明らかにした内容です。

犯行動機は、ただちには理解しがたい内容でした。

裁判員たちを前に証言する宮西被告

 住所不定の無職、宮西浩隆被告(45)は2024年2月、札幌市北区のコンビニで店の運営会社の社員だった40歳(当時)の男性の首などをナイフで複数回、突き刺すなどして殺害。

現場となったコンビニエンスストア(札幌市・北区)

 その後、店員2人にも大けがを負わせた、殺人などの罪に問われています。

犯行後、警察官に確保される宮西被告

 逮捕後、検察は宮西被告の刑事責任能力を調べるために3か月鑑定留置し、精神鑑定を実施。刑事責任能力が問えるとして起訴していました。

事件から1年3か月がたった6月23日に札幌地裁で開かれた初公判。

白い半袖のシャツに、紺色のズボン姿で証言台に立った宮西被告は、逮捕時よりも一回り大きく、ふっくらとしたように見えました。

井戸俊一裁判長から起訴内容について「間違っている点はありますか」と問われると宮西被告は、「間違っている点はないです。やむを得なかったです」と答えました。