「主文、被告人を無期懲役に処する」
6月23日、京都地裁で元自衛官の男に言い渡されたのは求刑通りの判決だった。男は言い渡された瞬間、裁判長をまっすぐ見つめていた。そして、判決理由を述べられると、時折うなずきながら裁判長の言葉を聞いていた。
国と国民を守るための自衛官が、なぜ見知らぬ高齢男性を殺害したのか…。これまでの裁判を振り返りながら、男の動機や衝動などについて迫っていきたい。
判決によると、元陸上自衛官の水島千翔被告(22)は2023年12月、京都市東山区のマンションで当時82歳の男性の顔面を3回蹴り階段から転落させたうえで、背中を約40回踏みつけ、包丁で8回突き刺し殺害した。