「モネの庭」を象徴するのが「水の庭」。園内にある池の中や周囲に色とりどりの花が咲いていて、水面にはスイレンが浮かんでいます。町田さんたち庭師は、池に入って胸元まで水につかりながらスイレンの手入れをしますが、その大きさ、形、配置、全てが"計算"しつくされているのです。
◆町田結香さん
「水の庭は『水鏡』が一番大事。水面に周りの風景が映り込むスペースが必要で、モネが一番大事に描いていたところでもあるので、葉っぱの"トリミング"をしていくんですけど、どの角度から見ても、スイレンの円の中心軸がちょっとずつずれているように、どこから見ても一直線にならないように気をつけています」

◆町田結香さん
「モネの絵を見たらわかりやすいと思うんですけど、スイレンの円の軸が、ちょっとずつずれているんですよね。一直線に並んでいたら違和感があるんです。きちんと整頓されているのが、逆に良くない」
町田さんは高知県東部・室戸市の出身。幼い頃から「外で体を動かす仕事がしたい」と思い、「農業、モネの庭、牧野植物園で働きたい」と口に出していたそうです。
そんな町田さんは島根県の大学を卒業後、酪農の仕事などを経て、2016年に「モネの庭」で"庭師"として働き始めました。
それまで庭づくりの経験はなく、当初は不安を感じていましたが、「モネの庭」に就職して仕事を学んだ先輩の庭師が、町田さんにとって大きな存在になったといいます。