赤ちゃんを寝かしつける時などに使う「おくるみ」。
その安全性について今、SNSでの議論が活発になり、あるメーカーの商品は販売休止になる事態に発展しました。
赤ちゃんの「おくるみ」には危険が潜んでいるのでしょうか?医師に聞きました。
赤ちゃんに「おくるみ」、使ったことありますか?街のお母さんは…

街のお母さんは
「あります」
「私もあります」
「夜泣きが凄くて寝れなくて、自分でタオルみたいなのでくるんでやってました」
今、SNSで、この「おくるみ」が大きな話題となっています。
SNSの投稿
「脚の動きを制限する衣類は、股関節が外れて育つ「発育性股関節形成不全」のリスクです」
「この病気のせいで小さな頃から何度も手術が必要になる子供がいます」

先日投稿されたツイート。9日にはリツイート数が5.9万になるなど拡散されました。
こうした中、あるメーカーの袋型のおくるみは、一時販売休止の措置が取られる事態ともなりました。
ツイートで指摘された「発育性股関節形成不全」とは、一体どんな病気なのでしょうか。
新生児科医・小児科医 今西洋介 医師
「おくるみだったりとか、外的な力で脚が伸ばされたりだとか、不自然に開脚されたりとか。そういったことをすると、股関節が脱臼してしまうという病気です」

今西医師によりますと、歩く前の赤ちゃんの脚の理想的な形は、お母さんの体内にいた時と同じで、両ひざと股関節がしっかり曲がり外側に開いた、いわゆる「M字型」なのだと言います。
しかし、寝かしつけの際、袋型のおくるみを長時間使用すると体が固定され、脚が伸びた状態になり、股関節の脱臼のリスクが高まるのだそうです。
土江諒 記者
「このようなブランケットタイプのおくるみも、長時間、脚にぐるぐる巻きにすることで、股関節脱臼のリスクがあるということです」

仮に脱臼すると脚の開きが悪くなり、膝の高さに左右差が出るなどの症状がみられると言います。
新生児科医・小児科医 今西洋介 医師
「発見が遅れれば遅れるほど、将来的な歩行に関して影響を及ぼすことがあります。治療介入を早い段階で適切な時期にするということが大事かなと思います」
装具などを使った治療の開始時期が早ければ早いほど経過は良好になるということで、今西医師によると、まずは赤ちゃんの脚を固定しないこと、そして早期発見を心掛けて欲しいとしています。