ズレは「ふるいの目」原因か

農水省が使っているという「1.7ミリ」のふるいの目だと、比較的粒の小さなコメも、ふるい落とされず残るため、自然と収量が増えることになります。農家の阿部さんは、公表される作況指数と現場の実感との間にズレがあると以前から疑問を抱いていました。

コメ農家 阿部善文さん:
「去年は平年より良いという発表があったが、実際のところ、うちでは平年を少し下回る収穫量だったので、作況指数の基準が違っていると思った。それがコメ不足の一つの要因になっていると思う」

農政に詳しい専門家は、「作況指数」が廃止されても豊作や不作は予想できるとして、去年の収量との比較さえ分かれば大きな問題はないと話します。

宮城大学 大泉一貫名誉教授:
「去年より多い少ないというのは需給調整と関わってくる。生産調整の需給調整の基本的な数値になってくるから前年度についてはきっちりおさえておくことが必要」

コメの需要が高まっていることを受け、阿部さんは今年、枝豆に転作していた1ヘクタールの畑を田んぼに戻しました。

コメ農家 阿部善文さん:
「価格が上がって大喜びはできない。今回のことで消費量が逆に減ってしまうのを恐れているので、消費量を維持して我々も安定して生産していく気持ちで取り組んでいきたい」