「人を殺したらどうなるのか?ということに興味がありました」法廷で真っすぐ前を向いて、はっきりとした口調で証言したのは、かつて陸上自衛官だった男。
国と国民を守るための自衛官が、なぜ見知らぬ高齢男性を殺害したのか…法廷でその経緯が語られた。
起訴状などによると、元陸上自衛官の水島千翔被告(22)は2023年12月、京都市東山区のマンションで当時82歳の男性を包丁で複数回刺し殺害するなどした、殺人と銃刀法違反の罪に問われている。
初公判で検察側「老人で殺害が容易と考え、決意した」

初公判が行われた6月11日。頭は丸刈り、スーツ姿で法廷に立った水島被告は、「公訴事実に間違いはありませんか?」と問われ「間違いありません」と答えた。
検察側は冒頭陳述で、「自衛隊の格闘訓練指導などが憂鬱で、逃げるための口実がほしかったため、犯行の前日に人を殺すことを決意し、京都市内を約6時間徘徊し、自宅アパートに帰宅中の被害者を発見。『老人であり殺害が容易である』と考え殺害を決意した」と指摘。
また、「犯行後も、『何人殺すと死刑』などと検索し、更なる標的を探して京都市内などを徘徊した」と主張した。
一方の弁護側は、被告が被害者を殺害したことや刑事責任能力があることは認めつつも、犯行時の被告の心理状況を踏まえ、殺意の“程度”を争う方針を示した。