ファミレスで働くネコ型配膳ロボットの「時給」は…
comugi:私がさらに危機感を抱いているのは、toC(消費者向け)よりもtoB(法人向け)の分野です。こちらのほうがより深刻ではないかと感じています。
野村:toBの分野でも、中国製品の進撃が起きているのですか。
comugi:例えば、皆さんもよくご存じの、ファミリーレストランの配膳ロボットです。猫のような表情をした「BellaBot(ベラボット)」というロボットですが、あれは中国・深圳で生まれたPudu Robotics(プードゥ・ロボティクス)という会社の製品です。
野村:あれも中国製だったのですね。
comugi:そうです。2022年にすかいらーくグループが2100店舗に3000台を導入すると発表し、今ではゼンショーグループのココスなど他のチェーンでも見かけるようになりました。あのロボットはリースで利用でき、月額5万円から10万円以下と言われています。これを時給換算すると、約140円から280円になります。
野村:時給140円から280円!人間のアルバイトの10分の1程度のコストで労働力を確保できるわけですね。
comugi:そうなんです。これは大きな変化点です。Pudu Roboticsは飲食業界だけでなく、ホテルのルームサービスなど様々な分野へ用途を拡大しています。最近ではアーム付きのロボットも発表し、5本指で物を掴んだり、エレベーターのボタンを押したりと、できることが少しずつ増えています。
野村:今は「この程度か」と思っていても、AIの進化を見ていると、1~2年後には全く違う形になっていそうです。
comugi:本当にその通りです。調理ロボットも登場しており、料理人より正確に調理から洗浄までこなすロボットが厨房に導入されているレストランも既に出てきています。