大川原化工機のえん罪事件をめぐり、警視庁と東京地検の幹部が社長らに謝罪。しかし、幹部は謝罪の場で、えん罪被害にあった人の名前を言い間違えていました。

化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人は2020年、軍事転用できる噴霧乾燥機を中国などに不正輸出したとして逮捕・起訴されましたが、初公判直前に起訴が取り消されました。このえん罪事件をめぐっては捜査の違法性を認め、東京都と国に賠償を命じた東京高裁判決が確定しています。

20日、警視庁と東京地検の幹部が会社を訪れ、社長らに直接謝罪しました。

警視庁 鎌田徹郎 副総監
「多大なご心労、ご負担をおかけしたこと深くお詫び申し上げます」
東京地検 森博英 公安部長
「誠に申し訳ありませんでした」

謝罪を受けた大川原正明社長は…

大川原正明 社長
「(謝罪が)早い段階で出ていただくことが望ましかった」

社長は「検証を十分していただき、二度と起きないようにしてもらいたい」と求めました。

社長とともに逮捕・起訴され、勾留中に見つかった胃がんが原因で亡くなった相嶋静夫さん(当時72)の遺族は「まだ謝罪は受け入れられない」として、この場に参加しませんでした。

大川原化工機のえん罪事件。警視庁と東京地検の幹部が社長らに謝罪しましたが、会社名や個人名を言い間違えていました。

社名は、大川原化工機ですが…

東京地検 森博英 公安部長
「大川原化工機工業株式会社の…」

さらに、元取締役の島田氏の名前については…

警視庁 鎌田徹郎 副総監
「ヤマモト様…」

終了後、言い間違えについて問われると…

東京地検 森博英 公安部長
「(Q.大川原化工機工業と)失礼しました、言い間違いです。申し訳ありません」
警視庁 鎌田徹郎 副総監
「(Q.名前を言い間違えた)私も今伺ったところで、大変申し訳なかったなと思っております」