第十管区海上保安本部は20日、鹿児島湾でアメリカ、フィリピンとの合同訓練を実施しました。海上保安機関による3か国合同訓練が日本で行われるのは今回が初めてです。

(記者)「アメリカ、フィリピンの巡視船が鹿児島湾に集結している」

訓練は日本・アメリカ・フィリピンの3か国が、海上保安機関の連携強化を目指し実施したものです。3か国は去年開いた首脳会合で海洋進出を強める中国の動きなどを念頭に、連携を強化するため訓練を行うことを決めていました。

3か国合同での日本での訓練の開催は今回が初めてです。

アメリカ、フィリピンの沿岸警備隊の巡視船や、鹿児島海上保安部の巡視船「あさなぎ」などと共に3か国あわせておよそ350人が参加しました。

訓練はアメリカの貨物船とフィリピンの漁船が九州南方の公海上で衝突した想定で行われました。漁船の乗組員が海に転落したほか船舶火災が発生する中、ドローンを使った捜索で海上に漂流する乗組員を発見し、沿岸警備隊のボートや海上保安庁のヘリで救助する手順を確認しました。

ボートで救助またはヘリまた、3か国の巡視船が連携して放水する消火訓練も行われました。

(十管本部・警備救難部 津村直文部長)「(3か国)顔の見える関係になった。現場においてさらに適切に海難救助ができるようになると思っている」

3か国は今後も訓練などを通じて連携を深めていく方針です。