きょうは「世界難民の日」です。日本では難民の雇用と活躍が課題となっています。中東シリアから逃れ、日本で正社員となった難民のケースを見てみます。

今週、開かれた「難民人材」の雇用と活躍をテーマにしたトークイベント。実際に難民を受け入れた企業の経営者らがその経験を語りました。

オイシックス・ラ・大地 高島宏平 社長
「難民の方々の自立支援と人材不足解決という企業課題の解決をどう両立していくか」

イベントでは難民が日本で働く際に直面する言語や文化の違いに加え、就労資格や手続きなどの壁にどう向き合ってきたのかが話し合われました。

そして、このイベントに参加していた食品宅配サービスを手がける企業に今年4月、難民として初めて正社員で採用されたのがシリア出身のサウードさんです。

オイシックス・ラ・大地 シリア難民 サウードさん
「シリアは戦争があった時は本当に安全な環境がなかった。みんな引っ越します」

サウードさんは、内戦で故郷を追われ、8年前に来日。日本語やITスキルを独学で学び、いまはエンジニアとして働いています。最初は慣れない日本語に苦労したといいます。

オイシックス・ラ・大地 シリア難民 サウードさん
「日本語って本当にむずかしいですね」

そんな苦労を乗り越え、今では社内によい刺激をあたえているといいます。

オイシックス・ラ・大地 採用を担当した北週作さん
「日本語を使ってのコミュニケーションは心配ではありました。今では(チームに)自分から提案もしてくれる。非常にこちらも刺激になりますね」

去年、日本で難民申請をした人は1万2000人以上で、認定されたのは190人とごくわずか。認定されても高いスキルや経験を持ちながら、働く機会に恵まれないことが多いのが現状です。

オイシックス・ラ・大地 採用を担当した北週作さん
「難民だから採用しているというわけではなくて、新しい人材を迎え入れることで当社の事業成長につながる。それがたまたま難民であれば、社会課題の解決にもなる」

オイシックス・ラ・大地 シリア難民 サウードさん
「(私にとって)人生で初めての仕事です。毎日が新しい。本当にうれしい」

世界情勢が不透明な中、広がる難民問題とどう向き合うのか。日本の企業、そして社会も問われています。