「科学的、防災的には無意味であろうとも地震予知仮説を熱狂的に支持する人々がいる。その意味を考察したい」関西大学社会安全学部の林能成教授はこう切り出します。5月26日、千葉市で開催されていた日本地球惑星科学連合の学会大会で、地震予知仮説をめぐる科学的検証と、それを取り巻く社会の受け止め方について鋭い分析を語りました。

地震予知には、多くの人の興味があり、予言のようなものから、科学的に意味があるもの、一部の人が地震予知と勘違いしているようなものなど、様々な“説”が存在します。林教授はこの中で「熱移送説」と呼ばれている仮説について、地震を誘発するのかどうか、検証を試みました。