鳥取県米子市の市街地でここ数日、シカの目撃情報が相次いでいて、19日も、その場所の近くで目撃情報が寄せられました。
その周辺には小中学校も複数あり、教育委員会が注意を呼びかけています。
この時期なぜ?シカが市街地に現れるんでしょうか?


キャスター 小林健和
「今回のシカの目撃が初めて確認されたのが、日本海からほど近いこちら米子市和田町のこのあたりということなんですね。木々が生い茂っていて非常にシカが隠れやすそうです」

住宅街で相次いで目撃されたシカ。
米子市によりますと、目撃されたシカは体長およそ1メートル50センチのオスとみられ、小さな角が
生えているということです。

初めて確認されたのは今月15日の午後0時半ごろ、市内にある米子市和田町にある松林周辺で見つかった後、その1時間ほど後に近くにあるまるごう弓ヶ浜店近くの草むらで目撃情報がありました。

近所の人に話を聞くと、このあたりでは10年ほど前にも、同じようにシカが目撃されたということです。

街の人は
「ちょっと怖いですね。10年くらいになるのかな。いっぺんここにシカ走ってましたから。10年前にも。大きな立派な角を持ったオスでした。向こうと一緒くらいのフェンスの高さだったんですよ。それにぶつかっていったり来たりして、最終的には飛び越えましたよ」

そして最初の目撃の翌日、16日には前日から南西に1キロほどにあるホームセンターで目撃情報がありました。

取材をしていたところ、実際に目撃をした人に話を聞くことができました。

シカを目撃した人は
「このあたりですね。「(フェンスの)向こうに行こうとして、行ったりきたりしているような感じ。中くらいのサイズのちょっと角があるような形」

その後、弓ヶ浜公園近くの住宅街で目撃情報があり、きのう再びホームセンターで目撃情報があったということです。

この時期のシカの出没について専門家は。

鳥取県立博物館 一澤圭 学芸員
「交尾の時期であればオスがメスと一緒にいたりするんですけれど、今はそういった時期ではないので、オスは基本的には単独で行動していたり、オス同士の小規模な群れですね、そういった活動をしてます。元々活動していた場所で、いづらくなったことがあって、新天地を求めてうろうろしているうちに出てきてしまったことかな、と思います」

そして、19日もシカの目撃情報が寄せられ、午後1時40分ごろ今度は弓ヶ浜展望台から境港方面に移動していたということです。

シカをめぐっては2023年10月、島根県飯南町の県の研究施設で60代の男性職員がオスのシカに襲われ死亡した事故も発生しています。

鳥取県立博物館 一澤圭 学芸員
「無理に刺激したりしないようにむやみに近づかないで、距離をとって見守るというのが良いかと思います」

今回目撃された場所の近くには小学校や中学校もあり、シカについて米子市教育委員会は周辺の小中学校6校に注意喚起をし、シカに近づいたり、むやみやたらに刺激したりしないようにと呼び掛けています。