「大事な人に会いたくなった」全国で反響
ALS患者・佐藤裕美さん(映画『杳かなる』より)「話せなくなる、声が出なくなるということは大きくて、この人、いま死にたいと言っているよなんて勝手に言われたりとか、すごく不幸だって言っているよなんて言われたら、怖いじゃないですか。そんなの」
病気が進行すると、のどの筋肉が衰えるため、声が出なくなることもあるALS。映画では、透明な文字盤を使ったコミュニケーションの様子も映し出され、心の交流と深い言葉、そしてユーモアの世界に、惹き込まれていきます。
映画はすでに、全国各地で上映されていて、宍戸さんの元には反響とともに、「大事な人に会いたくなった」という感想が、届いていると言います。
宍戸監督「人が人を想うっていうこと、心配するとか気にかけるとか、心に留めるとか、そういうことの姿を全編を通して感じられた方が、自分が誰かを想うっていう気持ちをまた引っ張り出されて、誰かに会いたくなったっていうのがあったなら、それはそれで本当に嬉しいなと思います」
一方で、インターネットを中心に、心無い言葉が飛び交う現状もあります。これについて、宍戸さんは、こう呼びかけました。
宍戸監督「みんなで生きていこうとしてきたのが人間の歴史だと思うんですよ。やっぱり大きくは一緒に生きていこうっていう、すごい単純な話ではあるけど、単純だから言わなくてもわかっているってわけでもない、今の社会の状況があるのでみんなで生きていこうってことを何回でも言わなきゃいけないし、声を大きくして、みんなで「せーの」で言っていかなきゃいけないっていうのを思っているので…」
映画「杳かなる」は、20日から26日まで福島市のフォーラム福島で上映され、21日は宍戸さんの舞台あいさつを予定しています。