熊本西高校出身の筒江海斗(つつえ・かいと)選手26歳。このプロフィールからは想像がつかない「異色」と言われる所以に迫ります。

2024年のパリオリンピックで陸上男子400mハードルに出場を果たすも、初めての大舞台は予選敗退に終わりました。

オリンピック後の筒江海斗選手のコメント「いろいろ方々のおかげで最後まで絞り切って走れたと思うので、そういう方々に対して感謝の気持ちでいっぱいです」

そして、去年10月。パリの悔しさを晴らすため、筒江選手は再始動していました。

筒江海斗選手(26)「オリンピックの結果はオリンピックでしか返せないけれど、次につなげるために世界陸上東京大会で準決勝以上で戦うことを目標にしていて、戦うには47秒台を出していかないと戦えない」

筒江選手は陸上関係者などから、しばしば「異色」や「遅咲き」という言葉で表現されます。その所以となる3つのポイントを深堀り!

まずひとつ目は…もともと野球少年だった筒江選手。しかし、中学1年の時に野球を辞めてから、放課後は…

筒江海斗選手(26)「お友達と遊んだり、ジブリが好きだったのでジブリを家で見たり・・・」 

熊本西高校で、恩師である立山先生に誘われ陸上を始めますが、大学まで目立った成績は残せず。

社会人になって「走っている中にハードルがある」と自然に飛べる感覚を掴み、オリンピック日本代表にまで登り詰めました。

高校時代の恩師 立山雅浩教諭「雑草じゃないけれどコツコツとやっていった賜物なのかな」
筒江海斗選手「人は人というのはありましたね。ひたすら抜いてやるという気持ちだけは持っていて、負けん気はずっとありました」

2つ目のポイントは仕事にありました!熊本県民総合運動公園の補助陸上競技場。実はここ

筒江海斗選手「私が所属するスポーツテクノ和広が施工しました!じゃん!」

筒江選手は、陸上競技場を始めとするスポーツ施設の設計、施工をする福岡の会社で働いています。それもあってか、トラックの細かい変化にも敏感で…

筒江海斗選手「自分は少し比較的ここ軟いかなと。硬いから良い、軟らかいから良いということではなく、与えられた環境で自分のベストを更新するだけと思っている」

仕事と競技に関連性がある。これも筒江選手の強みです。

最後のポイントは世界陸上に向けて「ハードルを飛ばない?」

筒江選手の400mハードル自己ベストは48秒58。47秒台という目標に向けて一番力を入れているのが…

筒江海斗選手「400の走力をつける、土台を上げないことには、技術でどうこうというレベルでもないので400mの走力を上げることを鍵にしている」

福岡大学時代から指導する信岡コーチも筒江選手のスピードには満足していません。ハードルを飛ばない400m走の自己ベストは47秒0。400mハードルで目標とする47秒台を出すには1秒も、ゆとりがありません。

福岡大 信岡沙希重コーチ「ただ走る方が、うまく走れないという選手はいますが、それにしても47秒は・・・はい・・・だって400mハードルを47秒台出したいと言っていて1秒以内で来るの?って話なので」

そのため、ハードルの練習はウォーミングアップでの基礎的な部分だけ。それ以外は短距離専門の選手と走って・・・走って・・・とにかく走る!短距離走の繰り返しです。

筒江海斗選手「47秒台というのを大事にしているので、その数字を毎日毎日自分の頭の中に置いた上で練習を行って、そうすると、動き、足りない部分もはっきりしてくるのでそこを大事にしながらやっていきたいです」