封鎖なら石油価格“天井を超える”可能性

山形キャスター:
実際にホルムズ海峡が封鎖される可能性があるのか、放送大学の高橋和夫名誉教授に聞きました。
イランが輸出用石油施設などの攻撃を受けた場合、海上に船などを出して、海峡を封鎖する可能性もあるそうです。
そうなった場合、第3次オイルショックが到来し、日本を含め各国で石油の価格が“天井を超える”可能性があるとしています。
そして石油製品など、物価高騰で生活に影響も出てくるのではないかということです。
ただし、アメリカなど各国との衝突を避けるため、イランとしても、できるだけ切りたくないカードであるとも話していました。
井上キャスター:
きっとイランとしても、イスラエルとしても、引くに引けない状況にはなりつつあっても、一線を越えてしまいたくはないでしょう。
そうなると、今後の注目はアメリカなんでしょうか。

元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
それは間違いないですね。
一つ言えるのは、アメリカは「バンカーバスター」というミサイルを持っています。
今のイスラエルの攻撃だけでは、地下深くに設営されたイランの核施設を、完全に破壊できないかもしれないということがあります。
そうなると、アメリカの関与が必要となってくるだろうということもあります。そういう意味ではホルムズ海峡を本当に封鎖してしまったら、アメリカが出てこざるを得ないかもしれません。
もう一つは、中国です。ホルムズ海峡が封鎖されては、中国も困ります。
イランは中国とはいい関係でありたいと思っていて、本当にイランがやってくるとしたら、相当追い詰められたときのことだと思います。
出水キャスター:
アメリカとイランの協議は、中止になってしまいました。この先の日程は、どうなっていくのでしょうか。
元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
今はオープンエンドになってしまいましたけれども、イランが交渉のテーブルにつくかどうかだと思います。
トランプ大統領は、「もうこれだけのことになってしまったから、イランは交渉の場につくべきだ」というふうに言っていますが、イランは、今すぐにというわけにはいかないと思います。
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<プロフィール>
秌場聖治
元JNN中東支局長
シリア内戦など中東各地を取材
三宅香帆さん
文芸評論家
著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で
「新書大賞2025」受賞 31歳