揚げ物のときになど使う「油」をどう処理していますか?使用済みの食用油を回収して燃料にリサイクルしようという企業の取り組みです。
天ぷらなど揚げ物をしたときに出る使用済みの食用油。

消費者:「固めるのありますよね、固めてゴミ袋に入れて捨てる」
消費者:「新聞紙とかに吸い取らせて燃えるゴミに出している」
消費者:「市で月に1回(の回収日)ペットボトルにとっておいてそれを出している」
処理剤などを使い、可燃ごみとして捨てるという人が多くいましたが、これをリサイクルしようという動きがあります。
県内を中心にスーパーなどを運営する綿半。

SDGsの一環として今年1月から油の回収を始め、現在は、全体の7割にあたる23店舗で実施しています。

綿半スーパーセンター 須坂店 栗幅俊明店長:「空いたペットボトルなどに(油を)入れて回収ボックスに入れてもらえれば、当社で無料で回収している」
当初は3か月で300リットル余りだった回収量は、先月は1か月でおよそ1000リットルに。
この日も、容器2本分を持ち込んだ人が。
持ち込んだ人:「ためていたが、たまたま来る機会があって、じゃあ捨てちゃおうと。いつでも自分の好きな時に自分のタイミングで捨てられるのでいいと思う」

飯田市内にある物流センターでは大きなタンクに手作業で油が入れられていきます。
綿半パートナーズ 川口忠康さん:「色や臭いを確認して、機械油や燃料が混入しないよう気を付けて1本ずつチェックしている」
店舗で回収され集められた食用油。
専門の業者によって処理され、二酸化炭素の削減につながるバイオディーゼル燃料に生まれ変わります。
綿半では、これを自社のトラックの燃料に利用しているのです。

綿半パートナーズ 川口忠康さん:「国の法律を全て満たす形で使用可能な燃料なので、使い方としてはスタンドで給油する燃料と全く同じように使用できる」
今年度の回収目標は3万リットル。各店舗ではポップや電子広告で認知度アップを図っています。

利用客:「こういう取り組み始めたなら出した方がいいかなと、エネルギーに使えるものだから」
利用客:「近いのでひんぱんに来るから、前日に出た油などは、翌日買い物に来た時にとかは可能かなと思う」
綿半スーパーセンター 須坂店 栗幅俊明店長:「ペットボトルや空き缶の回収のついでに目をとめてもらって、まずは知ってもらうことが大事。気軽に回収に出せるので、皆さんに利用してもらいたい」

リサイクルを目的とした使用済みの食用油の回収ですが、飲食店などから出るものは9割以上が専門の業者によって集められています。
一方、年間およそ10万トン出るとされる家庭用は、主に自治体が回収していますが回収率はわずか4パーセントに留まっています。
綿半によりますと、企業による回収は、おそらく県内初、全国でも先駆けの取り組みだということで、今後は、こうした流れが広がることが期待されます。