連日、多くの人で賑わう大阪・関西万博。個性豊かな海外パビリオンは長時間待ちも珍しくありませんが、負けず劣らず人気を集めているのが、複数の国が共同出展する「コモンズ館」です。
予約いらずでスムーズに入ることができ、中は魅力が盛りだくさん。コモンズAには、アフリカから南米まで、思わず世界地図で調べたくなるような29の国がブースを構え、1か所で様々な国について知ることができます。
そんなコモンズ館の人気を押し上げた立役者、各国のスタッフたちに密着しました。
「おもてなしはどこの国にも負けない」本場のスタッフとの交流を気軽に!
中東の国・イエメンのジャラールさん(39)は、ほぼ毎日、ブースで来場者の対応をしています。アラビア半島の南西にあるイエメン。広大な砂漠と緑豊かな自然保護区があり、約3400万人が暮らしています。
(イエメン ジャラールさん)「こちらの『ヌーラ』というのは石こうで、天井を飾るもの。伝統を守る家はこういう形になっています。でも最近はこれをつくろうと思ったら、結構“コレ(お金)”がかかります。半端じゃないんですよ」
流ちょうな日本語で解説。普段は通訳や翻訳の仕事をしていて、国から依頼されてやってきました。語学力をいかして、イエメンの魅力を余すことなく伝えるのが使命です。
(ジャラールさん)「これはヤギの革でつくられている衣服です」
(来場者)「どういうときに着るんですか?」
(ジャラールさん)「…普段着なんで」
(来場者)「普段着!?お祝いごとのときじゃなくて普段着で着てるの?」
本場のスタッフと距離の近い会話や交流が気軽に楽しめる、これこそがコモンズ館の大きな魅力になっているのです。
(ジャラールさん)「これ何かわかりますか?」
(記者)「上に何かをのせる?」
(ジャラールさん)「ごはんとか、いろいろ置いて『どうぞ』と」
(記者)「おもてなし?」
(ジャラールさん)「そうです。(イエメン人は)日本人に負けないくらいのおもてなし精神があります」
(記者)「家に人を招いたり?」
(ジャラールさん)「見知らぬ人でも招きます。全然知らない人でも『どうぞ入ってください』と、家に入ってご飯食べて家にいてくれと言うんです。おもてなしはどこの国にも負けないぐらいです」