広島の中山間地域に多く点在する農業用ため池。大小さまざま、のべ1万6000か所以上あります。長い年月をかけ地域の暮らしを支えてきた存在です。しかし、穏やかな水面の下には、ひとたびの大雨で私たちを襲う、予期せぬ脅威が潜んでいることをご存知でしょうか?

2018年の西日本豪雨では、広島県内で23のため池が決壊しました。福山市では、崩落したグラウンドの土砂がため池を破壊し、土石流となって住宅地を直撃。3歳の女の子が命を落としました。

実は、ため池の危険性は、全国でも突出しています。決壊した場合に下流に被害を及ぼす可能性が高い「防災重点ため池」の数は、全国で最も多い6585か所。県内ため池全体の約4割を占めます。

広島県東部や内陸部に集中していますが、最多のため池を抱える東広島市で実態を取材しました。