足のない幽霊のルーツとされる江戸時代の画家が描いた「幽霊画」が、青森県弘前市の寺で一般に公開されました。年1回、1時間だけ公開される、悲しくも美しい絵に訪れた人たちが見入っていました。

弘前市の久渡寺で一般公開された3枚の幽霊画。

そのうちの一つ、江戸時代の画家・円山応拳が描いた「返魂香之図(はんごんこうのず)」です。正妻を亡くした弘前藩の家老が、その姿を応挙に描かせました。悲しくも美しい姿ではあるものの、下半身は透けていて、足のない幽霊のルーツともされています。

幽霊画は弘前市有形文化財に指定されていて、寺では年1回、1時間だけ公開しています。

13日は100人以上が訪れ、200年以上前の絵に引き込まれていました。

訪れた人は
「最初怖いイメージでしたが、女性の幽霊がすごくきれいでびっくりしました」

「スーっと消えていくような感じが、うまく表現されていて、そこは大変すばらしいと感じた」

13日は弘前市を舞台にした漫画「ふらいんぐうぃっち」で知られる漫画家・石塚千尋さんが奉納した令和の幽霊画も公開され、ファンも駆けつけました。

石塚千尋さんのファンは
「現物はもちろん美しいというか、素晴らしいの一言で、漫画とはやっぱり全然違うし。(毎年)欠かさず来たいと思っています」

久渡寺では「返魂香之図」以外の2つの幽霊画を、16日まで公開しています。