桜島の山体膨張が確認されて1か月です。先月は活動が活発化し、火山灰の影響も広がりましたが、今月の噴火は2回しか観測されていません。現在の状態を専門家はどのようにみているのでしょうか。

桜島では、先月12日から山体膨張が確認され、その後、南岳山頂火口で噴火が相次ぎました。今年1月は50回、その後は20数回でしたが、先月の噴火回数は146回。今月に入ってからはまだ2回です。

(鹿児島市)「先月のほうが(灰で)大変だった」

(鹿児島市)「(先月は)けっこうすごかった、灰が。今月に入ってからは鹿児島市の方に灰はきてない」

(桜島火山防災研究所・井口正人所長)「今は落ち着いているとみている」

鹿児島市の桜島火山防災研究所・井口正人所長です。先月の山体膨張の規模は「この40年で最大級」とみていますが、噴火が続いていた先月に比べ、現在、マグマの供給量は減っているといいます。

(井口正人所長)「(先月は)1985年以降、過去最大の膨張があり、そのあと爆発が頻繁におきた。現在は(膨張は)高止まりではあるが、(今月はあまり)噴火が起きていない。マグマも供給されていないので、バランスがとれている。5月に比べたら完全に落ち着いていて、一連の活動は終わったと思っている」

ただ、桜島のマグマだまりは、大正噴火に匹敵する量に達しているとし、備えてほしいと話します。

(井口正人所長)「将来的なことを考えれば、次の大規模噴火には向かっている。今は安心して良いが、将来の安全を保証するものではない」