「コクゾウムシ」ってどんな虫?
玄米や白米を保管しているとき、害虫の心配で頭を悩ませたことはありませんか?
コメを狙う害虫はいろいろいますが、玄米が好きな「コクゾウムシ」について、害虫駆除の専門、東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。
ーコメを食べてしまう「コクゾウムシ」はどんな虫なのでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「コクゾウムシは、体長2〜3mmほどの小さな甲虫。茶色~黒色のシックなボディに翅には4つの点があり、長い口(口吻)を持ちます」【画像閲覧注意!①:コクゾウムシ】

「穀物をエサにし、口が象の鼻のように見えることから穀象虫(コクゾウムシ)と名付けられました」
「コメ(飼育していると特に玄米が好きなようです)が大好きで、見かけによらず食欲旺盛で、動きも意外とすばしっこくて米袋を開けてしばらくすると、こんにちは!とばかりに上によじ登ってきます」
「成虫は、コメの表面のぬか部分を鼻の先でゴリゴリ削りながら食べるので、表面がボロボロになっていきます」【画像②:食害にあったコメ】

「一方、幼虫は米粒の中で成長します。幼虫は産卵された一粒のコメの中身を外側だけをわずかに残して破ることなく上手に食べ、一粒から一匹だけしか出てくることはありません」
「コメはまさにコクゾウムシの幼虫のワンルームマンション。自分だけの部屋を作る職人芸です」
「少し悲しいかな、コクゾウムシは実はもう少し大きくなれても、小さくて狭いコメの中では成長しきれず、小さな成虫になることもあります」
「真っ白なコメ一粒から黒くて不思議な虫が一匹出てくるというのは、貯蔵穀物害虫で嫌な虫である一方、生命の不思議を感じさせてくれます」【画像閲覧注意!③:コメの中からコクゾウムシが…】

「ちなみに、粉の状態になったもの、小麦粉でできたパスタなどではうまく成長できないのか、ほとんど育つことはできず、うまく成虫にはなれません。また、幼虫の状態でコメから出してしまうと、もうコメには戻れないようです」