東京世界陸上まであと3か月。カール・ルイスが男子100m決勝で9秒86の世界新(当時)を出して優勝した、あの熱狂から34年、再び東京に世界陸上がやってくる。そこで最も金メダルに近いとされている日本人選手が、女子やり投の北口榛花(27、JAL)だ。前回ブダペスト大会で日本女子選手としてトラック・フィールド種目初の金メダル、去年のパリオリンピック™でも金メダルの快挙を成し遂げた。日本中の期待を背負う世界女王に、「Nスタ」メインキャスターの出水麻衣アナウンサーが話を聞いた。

東京世界陸上へ試行錯誤中「まだ荷造りしている段階(笑)」

出水アナ:
東京世界陸上が迫ってきましたが、今の心境はいかかですか?

北口選手:
すぐ来るのかなとは思うけど、まだシーズンが始まったばかりで試合をけっこうこなしていこうと思っているので、そういう点ではまだまだ時間があるので、ゆっくり自分の形を仕上げていけたらいいかなと思います。

出水アナ:
今シーズンはフォームの改良に取り組んでいると聞きましたが、どんなところを重点的にやっているのですか?

北口選手:
ブダペストの世界陸上の年が一番アベレージも高かったと思うので、その頃のテンポ感で投げられるようにしてからスピードアップだったり回転を上げたりして、自分に合った方法を探していけたらいいかなと思います。体力的には今の方が上がっていて、前と同じことをやるにしても少し楽にできるので、そこにどんどん足していけたらいいと思っています。

北口選手

今シーズン初戦は、世界最高峰シリーズ・ダイヤモンドリーグ第2戦(中国、5月3日)。60m88と記録を伸ばせず4位。次戦のセイコーゴールデングランプリ(東京、5月18日)では、5投目に64m16のビッグスローを見せ優勝した。

出水アナ:
世界陸上に向けて、逆算してペースを上げている最中かと思いますが、例えば富士山に例えたらいま何合目ぐらいですか?

北口選手:
初戦が本当にうまくいかなくてなんかもう…自分の形とかそういうものが一切見えなかったので…まだ荷造りしているくらいですかね(笑)。これから地道に登っていけたらと思います。まだ家も出てないので、早く家を出られるように頑張ります!

まだ山に足も踏み入れていない段階ながら、64mを投げてしまうあたりはさすが世界女王。今シーズン、「自己記録(67m38)の更新」と「アジア記録(67m98)の更新」を目標に掲げている北口。このまま徐々にギアを上げていければ、9月の東京世界陸上でものすごい投てきが見られるのではと、期待は高まるばかりだ。