不可解な死因

当初、言うなれば「ありふれた急死」事件でした。
行政解剖を担当した琉球大学の大野曜吉助教授は、いったんは急性心筋梗塞との診断を下しました。

心筋梗塞の後ろに「疑」の文字が記されています。

しかし、なぜ心筋梗塞が起きたのか。死因に納得がいきません。そこで、妻の心臓と血液30ccを保存しました。この判断が、5年後の事件解明に決定的な役割を果たすことになります。

複数の生命保険

神谷は、妻に合計1億8,500万円もの生命保険をかけていました。しかも複数の保険会社にまたがって。もちろん受取人は神谷です。しかし加入から死亡までがわずか20日、掛金も1回しか支払われていません。このあまりの不自然さに保険会社各社は神谷を疑い始めました。

4社合計で1億8,500万円。何か急ぐ事情でもあったのか、掛金は1回しか払っていません。