若者たちが復活を目指すのは、大正時代に始まった綾里夏祭りです。

綾里地区まちづくり委員会の村上芳春委員長は、かつて夏祭りの実行委員会のメンバーでした。
25歳の若者たちが祭りの実行委員会として、寄付集めから運営までを担うのが綾里夏祭りの特徴です。

(村上芳春さん)
「二十歳の成人はそれはそれで区切りなんでしょうけど、綾里の場合は25歳ってのがひとつの区切りなんじゃないかなっていうのがありますよね」

伝統の夏祭りは2019年に節目となる100回目を迎えました。
多くの住民が集まり、盛り上がりを見せた祭りでしたが…

新型コロナの感染拡大により、2020年以降は中止が続きました。
そして、2024年11月から2025年の夏祭り復活に向け準備を進めてきた矢先…
2月に大船渡市で大規模な山林火災が発生。

綾里地区は住宅が焼失するなどの大きな被害を受けました。

(東川今さん)
「それこそ柱にはわたしの身長が歴代飾ってあって弟と」(柱の傷で)「そうなんですよ。そんなのもたぶんないだろうなと思って」

実行委員の東川今さんも火災で自宅を失った1人です。
火災鎮圧の翌日、避難指示が解除されて自宅を見に行った東川さんは失意の中でも祭りに対する強い思いを話していました。

(東川由香さん)「今年からまたお盆にお祭りをやろうっていう話をしていた矢先だったので。でも、やり・・」
(東川今さん)「やりたい!私はやりたいと思ってるので。私1人だけでは厳しいと思いますけどみんなで力を合わせてやっていきたいなと私は個人的には思ってます。綾里を盛り上げようって」

避難指示の解除から3か月が経ち、東川さんの自宅があった港地区では公費解体が始まりました。