10月27日に岩手県一関市で60代の男性がクマに襲われ死亡した人身被害で、この男性を襲ったクマとその後現場に現れて駆除されたクマは、別の個体であることが分かりました。

一関市によりますと、今回の被害が発生した後、人に危害を加えたクマを特定しようと、市は現場からクマのものとみられる体毛を採取して、県環境保健研究センターにDNA型鑑定を依頼していました。
その結果、一関市厳美町の住宅の庭でクマに襲われ死亡した60代男性の衣類などから採取した体毛と、その後男性の遺体の近くで死んでいるのが見つかった飼い犬のそばに現れ、駆除されたクマの体毛から、それぞれが違う個体であることが判明したということです。
さらに、発生5日前の22日にも現場近くで飼われていた犬がクマに襲われて死ぬ被害が発生した場所から体毛を採取して鑑定したところ、どちらのクマとも違う個体であることが分かりました。
この地域では人が死ぬ被害が起きた後の11月5日もクマの目撃情報があり、市は亡くなった男性とその飼い犬を襲ったクマがまだ近くにいる可能性があるとして、わなを設置して捕獲を試みるとともに、住民に警戒を呼び掛けています。