今年1月の組み立て開始からお伝えしてきた鹿児島県霧島市のみやまコンセールのパイプオルガンが先月30日に完成し、記念のコンサートが開かれ、多くの人がその音色を楽しみました。
(霧島市から)「どんな演奏になるかな?大きいのかな?と話していた」
(日置市から)「どんな音が出るのか。これから聴きに来る機会が増えると思うので楽しみ」
みやまコンセールの愛称で知られ、1994年に霧島市牧園町に開館した霧島国際音楽ホール。
開館から30年以上たってパイプオルガンの設置が進んだのは、2021年に県出身者から「鹿児島県の音楽活動交流のさらなる発展のために」と贈られた2億円の寄付でした。

その後、ルクセンブルクとドイツで楽器が製造され、今年1月からホールでの組み立て開始。先月30日にホールの2階に完成しました。
重さはおよそ15トンで高さ7.5メートル、幅8.8メートル、音を鳴らすために風を通すパイプは1858本あります。
今月1日に開かれた完成記念コンサートは事前申し込み制で開かれ、およそ740席に対して、県内外から2341人の応募がありました。

みやまコンセールのパイプオルガンは、1700年代に活躍したバッハなどの曲から現代の楽曲まで演奏できるように、重厚さと表現力が特徴のドイツ中央部のオルガン様式が採用されています。
プログラムでは4曲でしたが、鳴り止まない拍手を受けて演奏されたアンコールには、あの有名な曲も…トッカータとフーガニ短調、J.S.バッハの曲です。
(霧島市から)「パイプオルガンと空間がすごく一体化していて、聴きにきてよかった」
(鹿児島市から)「すごく感動した。たくさんこのホールを活用していただくことを期待しているし、たくさん拝聴しに訪れたい」

(オルガニスト ジャン=フィリップ・メルカールトさん)「初めてパイプオルガンの音を聴かれた人も多いと思います。この素晴らしい楽器(の音を)を聴きに来ていただきたい」
2億円を贈った県出身者は寄付の後、亡くなっていて、この日、会場を訪れた家族は「音の響きが荘厳だった。1人でも多くの方がパイプオルガンの音色を楽しんでいただくことが願いだったと思う」と話していました。
みやまコンセールは今年度、月に1回のコンサートを開きます。今月は21日で、一般1000円、学生(小学生以上)500円です。