薩摩、大隅地方では、あす11日夜遅くにかけて再び警報級の大雨のおそれがあります。これまでの雨の影響で地盤が緩んでいるため、引き続き土砂災害に警戒が必要です。

(記者)「道路わきの斜面が大きく崩れ、草木がなぎ倒されている」
9日夜、発生した線状降水帯により大雨となった大隅地方では土砂災害や冠水が相次ぎました。
肝付町にある宮下橋近くの県道554号は、60センチほど冠水し車2台が立往生。男女あわせて3人がボートなどで救助されけがはありませんでした。
この冠水で住宅3棟が床下浸水し、10日は朝早くから住民が復旧作業に追われていました。
「あそこまで、(もう少しで家の中に入るくらい?)どろがたくさんたまっていた」
南九州市頴娃町にあるこちらの住宅では9日昼ごろ、近くの斜面が高さ5メートル幅3メートルにわたって崩れ土砂が敷地内に流れ込みました。
指宿市でもがけ崩れにより市道4か所が通行止めとなったほか、JR指宿枕崎線は、五位野と枕崎の間で始発から運転を取り止め、特急列車の「指宿のたまて箱」は全て運休が決まっています。
(横浜から観光)「たまて箱に乗るのがメインだったが、しょうがない諦める残念」
梅雨前線の影響で引き続き薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では、大気の状態が非常に不安定となっています。
8日の降り始めからの雨の量は、指宿市で435ミリ、肝付町前田で382.5ミリなど、平年の6月ひと月分に降る雨のおよそ7割です。
10日も薩摩地方を中心に雨脚が強まり、県の雨量計で1時間に出水市で45ミリの激しい雨を観測しています。
このあと予想される雨の量は、1時間に薩摩地方で50ミリ、大隅地方で30ミリ、あす11日昼までの24時間に薩摩地方150ミリ大隅地方120ミリです。
11日夜遅くにかけて薩摩、大隅地方では、再び警報級の大雨となるおそれがあります。これまでの大雨で地盤が緩んでいる所があり、引き続き土砂災害に警戒が必要です。