
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「所持金132円か、厳しいな」
男性は20代。
これまで日雇いの仕事をしながらネットカフェなどで寝泊まりする生活を続けていたが、今はその仕事も減り、所持金も底をついてしまったという。

男性(20代)
「僕は毎日でも仕事に出て、少しでも安定した生活がしたいって思ってるんですけど、こっちがいくら『毎日仕事は出れますよ』と派遣会社に言っても、向こうも定員人数に達し次第、『あとはいらないよ』というようなかたちだったり、決まってる仕事も急に当日なくなったりとか、あるんですよね。今は毎日毎日、今日を生きていけるか、明日どうしようとか、そのことしか考えられなくて、それ以上先のことなんかなおさら考えられないっていう感じなんで」
男性は生活保護を受給したいと考えていて、何度か福祉事務所に足を運んだという。
男性(20代)
「2回行って2回とも断られてしまって」
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「どういう理由で断るの?」
男性(20代)
「まだ若いし、その当時も派遣の仕事はしていて、まだ年齢的にも若いし仕事もしてるんだから(生活保護は)受けられないよと」
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「若いんだからとか、働けるんだからとか君は住所がないんだから生活保護は受けられないとか僕らみたいな支援団体が同行して一緒にやらないと、そういうことがなくならないというか、普通に行われてしまうと」
今後、瀬戸さんの団体では、男性が生活保護を受けられるように支援を続けていくという。
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「僕らが支援した後で、その後の生活どうなってるの?『働いてます』と言うのだけれど、給料どのぐらいもらってるのって聞いたら『多くても10万円ぐらいです』と。よく雇用の改善とか言うけれど、雇用の中身を見たときに、生活できる賃金もらえてない。正規の仕事だとか、最低賃金とか、そういう問題をしっかりやっていかないとまた(生活保護に)戻ってくる可能性がある」
政府は先週、物価上昇などに対応するため、29兆1000億円規模の「総合経済対策」を打ち出した。

岸田総理
「今回の対策は、物価高克服、経済再生実現のための総合経済対策です」
総合経済対策には、電気やガス料金などの負担を、一般的な家庭で、4万5000円程度軽減することが盛り込まれている。
生活困窮者への食糧支援も各省庁が連携して行うと強調しているが、果たしてこうした対策は現場を救うことができるのだろうか。