■再開発で変わりゆく“渋谷”で彷徨う男性
長年にわたって、都内の公園などを転々としてきた男性だが、近年、再開発で相次いで閉鎖された。渋谷駅前の「宮下公園」もそのひとつだ。
1953年の開園以来、人々に親しまれていたが、2020年に再開発。今や高級ブランド店やホテルが立ち並んでいる。

男性(50)
「ここは元々、俺が寝てたところ。影も形もない」
ーー商業施設になってしまいましたね
男性(50)
「多分今の人は(昔)ここでホームレスが寝てたんだよって言っても信じられないよ」
いま男性は、渋谷駅からほど近い別の公園で生活しているという。
■20代の生活困窮者も…「毎日毎日きょう、あすを生きていけるか」 反貧困ネットワーク「支援が領域を越えている」
生活困窮者たちが社会からこぼれ落ちないために活動をする反貧困ネットワークの事務局長、瀬戸大作さん。

瀬戸さんの団体「反貧困ネットワーク」では、2020年4月からコロナで生活が困難になった人たちに、生活費の支援や、生活保護申請の手助けなどを行っている。相談は今も後を絶たない。
10月28日、仕事と住まいを失ったという70歳の男性が相談に訪れた。
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「今貯金とかありますか?」
男性(70)
「今、銀行に2000円ありまして、明日ちょうど派遣の仕事が入ってる、火曜日あたりに8000円くらい振り込まれる」
反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「今の状態でいうと、経済的にかなりやばいね、やばいね」
これまで持ちこたえてきた若い世代にも路上生活が広がりつつあるという。

反貧困ネットワーク 瀬戸大作 事務局長
「今回の物価高騰で電気代の値上がりとかいろいろあって、そのことが広範囲に広がってしまっいてると、今までの野宿者支援とか、ホームレス支援も、僕らの支援が領域を超えてしまって、全世代型の相談支援になっている」
10月29日、瀬戸大作さんは、メールで助けを求めてきた男性のもとに向かった。