止まらない円安と物価高で追い詰められる生活困窮者たち。救いを求める人々の姿。支援活動を続ける男性の取り組みに迫ります。
■“10円足りなくて諦めた” 生活困窮者が直面する“値上げ”
10月29日土曜日。渋谷駅周辺は3年ぶりに行動制限がないハロウィーンで賑わいを見せた。
荷物を引いて、人混みを歩く50歳の男性。20代から路上生活を続け、現在は、生活困窮者を支援する雑誌「ビッグイシュー」を売って生計を立てている。

男性(50)
「すごい人。10冊くらい売れそうな気するけどねぇ。だから逆に(人が)多すぎて売れない。目立たないから」
男性は渋谷駅前で販売を行っていたが、足を止める人は少なく、渋谷から二駅の三軒茶屋に売り場を移すことにした。
男性(50)
「ビッグイシューです。450円です」
一冊で、男性には230円が入る。この日は、2時間で10冊も売れた。

男性(50)
「20冊売れば大体4600円(の収入)になるから、それで飯代と交通費と全部出して。もう残んないよ、いくらも。物価もだんだん高くなっていくしねぇ、本当にもう。例えば100円ローソンで100円でカップラーメンが買えてたのが、今じゃ百十数円になって、この10円上がったことによって買えなかった時とかあるから。108円だけ握りしめて行ったら118円ですって言われて。10円足らないじゃんって諦めたこともあったし」
収入が少ない男性にとっては、10円、20円であっても、食料品の値上げは死活問題となる。

10月には、円安や原材料の高騰で、水産缶詰、ハム、ソーセージ、ビール類など、約6700品目もの食料品価格が引き上げられた。
さらに11月は、乳製品の値上がりも。牛のえさ代や燃料費などが主な要因で、中には牛乳を10%値上げしたメーカーもあった。