大分市佐賀関で18日に発生した大規模火災から10日目の27日、立ち入り禁止区域の内部が報道陣に初めて公開された。火災では住宅など182棟が焼け、1人が死亡。普段静かな港町は、焼け焦げた建物とがれきの山に覆われ、一変した景色が広がっていた。現場に入ったOBSの糸永敦記者がリポートする。

今回取材できたのは、焼損面積約4万8900平方メートルのうち、火元とみられる住宅から100メートルほど離れた東側の住宅地。狭い道に木造住宅が密集していた地域は、火災により跡形もなく崩れ、どこにどんな家があったのかも分からない状況だった。

元々住宅密集地だったこの一帯は、がれきの山となり、つい先日まで人々が暮らしていたことを考えると、衝撃的な光景だ。

町のあちこちには家電製品や車など、住民の生活に欠かせないものの残骸が散乱している。一見建物が残っているように見える家も、窓ガラスが割れ、中は黒く焼け焦げているのが確認できた。住宅地のそばでは、火災から10日経った今も山林で放水活動が続いていた。

市は全焼を免れた建物を対象に倒壊の危険度を判定する応急危険度判定を行っており、住宅のいたるところに危険度を示す色分けされた張り紙が貼られていた。

大規模火災から10日が経過し、規制線の中を歩きながら改めて被害の甚大さを目の当たりにし、復旧・復興に向けた課題の大きさも見えてきた。失われた日常と人々の暮らしを取り戻すための道のりは長く、険しいものとなりそうだ。