証券会社は「一定額を補償」の意向 「全額補償」にできないワケ

高柳キャスター:
全体としてかなり件数も上がってきていますが、どのような補償がされるのでしょうか。

5月2日、証券会社10社が顧客に対して、「一定額を補償」する意向を示しました。ただ、全額ではなくて、一定額になるということです。

TBS報道局経済部 和泉砂絵記者:
一定額になっている理由に、証券会社と顧客の間には「約款」という取り決めがあります。

「ログイン情報が漏洩してしまったことによって損失が出た場合、証券会社は責任を負いません」という規定が作られていることが多いんです。

また、株式の取引で出ている損害は、被害額の計算が難しく、どこからが不正取引なのかというラインを作るのが難しいです。なので、ケースバイケースで取引を見て、被害額を計算していかなければいけないので、一概に「全額補償する」とは、証券会社として言いづらい事情があります。

高柳キャスター:
大切な資金を守るために、まずはとにかく▼メールのリンクは触らない。

見た目では、偽メールかどうかの判別が難しく、これからさらに判別が難しくなっていくことも考えられます。なので、メールのリンクではなく、公式ホームページからログインをすることが大事になってきます。

ログインをされてしまった後も対応が必要です。

「多要素認証」を活用してください。

ID・パスワードに加え、一定の時間は1回しか使うことができない「ワンタイムパスワード」、指紋や顔認証などの「生体認証」を活用するのが有効となっています。

井上キャスター:
証券会社として全額補償はなかなか難しいが、「一定額を補償」する意向を示しました。これでもかなり踏み込んだとも言われています。

しかし、それだけでは不十分な部分をどう補うのでしょうか。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
やはり自分で守るしかありません。しかし「多要素認証」に関してもフィッシングメールが大量に来ているんです。

「多要素認証をしましょう」というメールが大量に来ていて、混乱すると思うので、アクセスは公式ホームページからですね。

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<プロフィール>

和泉砂絵
TBS報道局経済部 証券・商社担当
下期の目標「東証付近で行きつけの店を作る」

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説