期日前の投票箱 24時間監視 “異例”の大統領選挙

日下部正樹キャスター
「一部、有権者からは不正選挙の声があがっていますが、投票所ひとつとっても、私たちを含めた内外のメディアに取材が許可されています」

投票のプロセスを有権者がチェックする仕組みを導入するなど、異例の態勢で行われた今回の大統領選挙。

期日前投票に使われた投票箱も24時間、防犯カメラで監視し、映像を公開。投開票に関わる事務職員は、韓国籍に限定された。

こうした措置が取られた背景にあるのは、過去の選挙でハッキングなどの行為があったとする「不正選挙」をめぐる陰謀論だ。

今回の大統領選挙のきっかけになった、尹錫悦前大統領による戒厳令。

これに影響を与えたとされるのが、「過去2回の総選挙で革新系の政党が勝利したのは不正があったからだ」とするネット上の言説だ。

極右YouTuber
「選挙管理委員会が、中国人とみられる開票スタッフを雇った」
「遠からず、韓国は中国の属国になる。第二の香港になると言ったじゃないか」

不正選挙の背景には、中国の介入があったと訴える極右のYouTuberたち。

尹氏が出した戒厳令には、これらの主張も影響したとされている。

尹錫悦 前大統領
「国政麻痺と国権錯乱を主導した勢力と、犯罪者集団が国政を掌握し、韓国の未来を脅かすことだけは、何があっても防がなければなりません」

尹氏の発言を受けて、陰謀論は一般市民にも広がり、不正選挙を追求するデモも起きた。

戒厳令が出た翌月に行われた世論調査では、約43%が「不正選挙があったと思う」と回答している。