コメ価格の高騰は「加工米」にも及んでいて、鹿児島の特産品である「焼酎」にも影響が出ています。取材してきました。
(小正醸造 枇榔誠蔵長)「コメが無い。数量が少ない」

日置市に本社がある小正醸造です。焼酎の原料「米麹」などに年間300~400トンの加工米を使用しています。一般的にサツマイモ「5」に対してコメを「1」使う焼酎業界では、去年からコメ不足や価格高騰を肌で感じていたといいます。

(小正醸造 枇榔誠蔵長)「(キロあたり)100円上がると3000~4000万円(コストが)乗ってくる。(去年時点で)30%上がった」
今年の焼酎の仕込みに使う加工米はなじみの卸会社や農家からなんとか確保できたということですが、瓶や梱包する段ボールも値上がりし製造コストは上がる一方です。
(小正醸造 枇榔誠蔵長)「生産にかかるあらゆるものが上がっている。なんとか吸収してきたが難しい」
県内の酒造メーカー109社が加盟する県酒造組合も今の状況に危機感を募らせています。

(県酒造組合 田中完専務理事)「(コメ価格の)様子を見て、焼酎の生産を抑えざるを得ない。危機的な状況」
組合には「今年の仕込みは抑えて在庫分でしのぐ」という声も届いているといいます。さらに加工米を生産している農家が、より高値で売れる食用米へ切り替えることを懸念しています。
(県酒造組合 田中完専務理事)「(加工米が)かなり減ると聞いている。そうなると価格だけでなく量が厳しくなる。それがいつまで続くのか」
国が備蓄米を加工用にも放出することを検討していることについては…
(県酒造組合 田中完専務理事)「加工用米としての需給バランスがとれるまで、緊急避難的に備蓄米の手当てをお願いしたい。こういう現状を県民に知ってもらって応援してほしい」
令和のコメ騒動は食卓だけでなく、鹿児島の基幹産業である「焼酎業界」にも暗い影を落としています。