原発事故をめぐり、東京電力の株主が、東電に賠償の支払いを求めた裁判の控訴審で、東京高裁は6日、13兆円あまりの賠償を命じた一審の判決を取り消しました。

この裁判は、東電の個人株主らが勝俣恒久元会長ら旧経営陣5人に対し、「事故を予見でき、対策を講じるべきだったのに怠った」などとして、東電に23兆円を超える賠償金を支払うよう求めたものです。

裁判は、巨大津波の襲来を予測できたのかどうか、などを争点に争われ、一審の東京地裁は、東電に13兆円あまりの賠償の支払いを命じましたが、判決を不服として、双方が控訴していました。

二審の東京高裁は11日、13兆円あまりの賠償を命じた一審の判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。

控訴審では、株主側が旧経営陣の責任を追及した「一審の判断は維持すべき」と訴えた一方、旧経営陣側は改めて、「津波による事故発生を予見することはできなかった」などと訴えていました。

勝俣恒久元会長は去年10月に亡くなり、裁判は遺族が相続人として承継しています。