滑らかな語りと、噺のオチで会場を笑いで包む日本の伝統芸能「落語」。
島根県松江市に、元医師という珍しい経歴を持つプロの落語家がいます。
元医師だからこそできるオンリーワンの落語とは・・・
『桃太郎』
「むかしむかしあるところにお爺さんとお婆さんがおりまして、お爺さんは山へ柴刈りに行きまして、お婆さんは川に洗濯に行った。じゃぶじゃぶ洗ってると、川上の方から大きなサツマイモがどんぶらこっこどんぶらこっこ流れてまいりまして、お爺さんの帰らないうちに蒸かして、それを全部お婆さんが食べちゃったんですな。そしたらだんだんお腹がはってまいりまして、お婆さんがちょいと腰を浮かした拍子にブゥ~という大きなのを落としました。お爺さんはその時、山で柴を刈らずにくさかったと。」

島根県安来市の寺で行われていた落語会。
流暢な喋りで笑いを誘うのは、「春雨や落雷」さんです。
地元・島根県を拠点に活動するプロの落語家で、なんと御年80歳です。
県内外で毎週のように公演を行う落雷さん。
じつは、少し変わった経歴を持つ落語家です。
春雨や落雷 さん
「もともと医者をやっていて、今も医者は医者なんだけど。臨床を長いことやってましてね。自分の病院も作ってやりましたけど。」
落雷さんは40年以上、医師として医療活動に従事し、13年程前、落語家へ転身しました。

いったいなぜ落語の道へ進んだのでしょうか?
その答えは、落雷さんの自宅にありました。