「コメの増産」 4つの課題
山形キャスター:
コメの政策について3日、小泉大臣は大きな転換に向け「基本的には増産をする」「今年度中に基本方針を打ち立てる」と発言しました。

コメの増産は本当にできるのでしょうか。
東京大学の鈴木特任教授によると、日本のコメには現在、4つ課題があるといいます。
●生産者減少:高齢化や担い手不足
●減反政策廃止:しかし、生産量は戻らず
●肥料や燃料など、コストの高騰
●猛暑などの異常気象:生産量が不安定
これらの課題をどう乗り越えていくかというところです。
出水麻衣キャスター:
データをきちんと取って、「これくらいコメを作れば売れる」という心理的な安心感があれば、農家も増産に舵を切ることができると思います。
パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
どんなビジネスでも、需要と供給がベースにあります。
データが正確ではないと、バランスが取れていたものもインバランスになってしまいます。
井上キャスター:
農家からしたら、今まで政府の要請で生産調整してきたのに、いきなり増産という形で、「なぜ振り回すの?」という思いでしょう。
時間はかかるかもしれませんが、増産して輸出して、国内が緊急事態の際は輸出分を国内に回すというような稼げる農業にしないと、若者に継いでもらえないと思います。
ゆくゆくの日本の農政はどうみていますか。

パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
コメは日本人の心に身近で非常に大事なものです。
ドローンで種をまく、GPSを使って田植え機を無人にするなど、テクノロジーを使うとなると「心がこもっていない」「魂がこもっていない」となりがちですが、味にはあまり関係がありません。
なので、テクノロジーを活用しない手はないのではないかと思います。“心”という点は度外視してでも、優先すべきなのではないかと考えます。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など