政府が随意契約で放出した備蓄米は、都市部を中心に全国での販売が始まっています。一方、離島のスーパーでは「輸送費の負担」に懸念の声もあがっています。
鹿児島県の奄美市に5店舗を展開するグリーンストアです。日用品や生鮮食品を扱っていて、3日も地元の住民が買い物に訪れていました。気になるコメ売り場は…
(記者)「こちらのスーパーでは沖縄からの仕入れもあり、十分な量の米が並んでいます」

国産ブレンド米5キロを税込み4198円で販売しているほか、国産ブランド米も扱っています。
(グリーンストア 赤尾均統括課長)「当社としてはコメは比較的、潤沢にある方かと思う。きょう、あす中には、またコメの入荷がある予定にはなっている」
コメの価格は去年9月ごろから上がり始め、今では1年前の倍以上と高値が続いています。
(奄美市民)「お店が安く仕入れてくれているというのは分かるが、それでもまだ手が出づらい」
(奄美市民)「(古い)備蓄米は香りを気にするのでちょっと心配」
(奄美市民)「お米の回数を減らして、麺類などを食べるようになった。(備蓄米は)興味ある。奄美にいつ届くのかなと待っている」
全国のスーパーで構成されるシジシージャパンは、政府が随意契約で放出を決めた2022年産の「古古米」5000トンを購入。グリーンストアはこのシジシージャパンに加盟していることから、先日、購入するかどうか連絡があり、6トンの購入を決めました。
ただ、入荷の時期は未定で、精米や袋詰めの費用に加え、船による輸送コストも懸念しています。
(グリーンストア 赤尾均統括課長)「何とか販売価格で2000円という価格で出せればとは考えているが、どうしても離島になると輸送費がかかってくるので、若干上がるかな」
県内離島で小売店を経営しシジシージャパンに加盟する企業は、グリーンストアを含め6つあります。

西之表市の「うしじまストアー」と、屋久島町の「ライフセンターヤクデン」は、共に「入荷時期、量、価格は未定」ということです。
徳之島町の「ダイマル」は「今月中に入荷と聞いたが詳しくは分からない」、「秋丸商会」は取材に応じませんでした。
喜界町の「ショッピングセンターふくり」は、「今月中に5キロ2000円台で販売を予定している」ということです。
輸送費などを自社で負担する現状について、離島のスーパーからは「消費者のためにはやむを得ない」との声があがっています。
県内に「古古米」が行き渡り、販売されるのはいつになるのか?小売店も消費者も気をもむ日々が続いています。