PCをハンマーで破壊、手帳裁断…調査妨害か“言語道断の行為”

第三者委によると、04年、47億円以上を貸し付けていた大口融資先の経営状況が悪化。不良債権化して組合に損失が出ると、金融機関としてのランクが下がり、貸倒引当金が増え、信用組合の経営に影響が及ぶという危機感を抱いた当時の経営陣が、ぺーパーカンパニーを使った迂回融資で資金繰りを支援するようになったという。

また、第三者委は、いわき信用組合に調査妨害ともとれる行為があったと指摘し、「調査に非協力的で真相究明に真摯でない」そして「自ら積極的に事実関係を明らかにしようとするものとは真逆で、意図して全体像を隠そうとしていると疑わざるを得ない」と断じた。

調査妨害とも取れる行為は14点あり、主な点は以下の通り。

・調査の期間中、重要な証拠となる不正を示すデータがあったとみられるノートパソコンを職員が「怖くなって」個人の判断で独断でハンマーで破壊と証言
・不正の証拠となる記載があるとみられる手帳やノートについて、江尻元会長が不正の発覚直後「精神的なショック」を受けたなどとして、自分の判断で4、5年分の業務記録4冊ほどを裁断し「ゴミとして捨てた」と説明
・職員に対し上司が第三者委の調査に「協力しないよう」指示
・融資先企業に関するデータを不自然に消去
・ヒアリングに対して虚偽の説明を繰り返す

こうしたことから第三者委は「極めて重要性の高い証拠物で、調査が始まる段階で意図的に破壊処分するのは言語道断の行為だ」と厳しく指摘した。