コメ価格の値下げは抜本的な対策になるのか…

藤森祥平キャスター:
自治体独自の取り組みとして大阪の泉大津市が、夏に販売する5キロ税込3500円のコメ。45トン=9000袋分を確保しています。

泉大津市の世帯数は約3万6000世帯。仮に全ての世帯が上限の10キロを購入しようとすれば、10世帯のうち約1世帯しか手に入らないという計算になるということです。泉大津市としては「来年は50トン以上確保する方針」ということです。

先を見越した対策で、見事な取り組みではありますが、量を増やすのはそう簡単ではない。

小川彩佳キャスター:
どれだけ、コメが確保できるのかという“課題”はありますが、自治体が主導してコメを確保していこうという動きについてはいかがですか?

TBSスペシャルコメンテーター 星 浩さん:
日本には約1800の自治体がありますが、コメの取れるところと全く取れないところや、スーパーがあるところと無いところがあり、それぞれ自治体が知恵を絞ってこういう取り組みをするのはいいと思います。石破さんが言ってる地方創生にも繋がると思います。

そして2日、全国のスーパーで販売されたコメの平均価格が発表されました。3週間ぶりに値下がりしたということなんですが、2日発表された金額価格というのは、「5月19日~25日までに販売されたコメ価格」ということですから、5月31日が約2000円の備蓄米の販売がスタートしたということで、31日以降の金額は反映されていないということに注意が必要です。注目は来週、再来週どうなるかという点ですね。

【備蓄米以外の価格も下がると思うか】
・下がると思う:35%
・下がらないと思う:56%

【コメの生産量を増やす】
・賛成が88%

※JNN世論調査より

政府は、今の取り組みで、銘柄米の価格も下がっていくと感じているのでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
今回は30万トンで、全体の生産量700万トンのうち微々たるものですから、これだけで下がるというのは無理だと思います。例えばスーパーに2000円と4200円の、2種類のコメが並ぶと、スーパーも4200円の方も下げざるを得ない状況になり、3000円台になるんじゃないかと政府は期待しています。しかし、それが根本的な解決になるかというと、そうでもないですね。

藤森キャスター:
もし下がらなければ、次にどんな手を打ってくるのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
21年からコメが不足してたというのが明らかになりました。現在、高齢化していますから、今後どんどん減っていくんですよね。そうすると、供給を増やさなくちゃいけない。そのためにはコメの価格を安定させなければいけません。安心して作るためにも、ある程度の価格を設定して、足りない場合は所得保障も行うなどのシステムを導入するのか、欧米では既に導入されている制度です。

石破総理は、関係閣僚会議を開いて、コメ不足、コメの高値の検証をすると言っています。あらゆる政策をチェックして、抜本的な改革ができるかどうか、踏み出せるか、石破総理にとってはリーダーシップが問われる局面になったと思いますね。

藤森キャスター:
まずはその会議の中身ですね。

小川キャスター:
実行できるかどうかというところまで、真価が問われますね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
福島県出身 政治記者歴30年