中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止していた問題をめぐり、日中両政府は、輸出再開に向けた手続きに合意しました。
ただ、宮城など10都県は対象外で、宮城県内の漁業関係者からは落胆の声が聞かれました。

林官房長官:
「中国向けの水産物の輸出再開に必要な技術的要件につきましては、日中双方で合意に至りました」

日本産水産物をめぐっては、東京電力・福島第一原発のALPS処理水の海洋放出に伴い、中国側が、2023年8月から輸入を全面的に停止していました。

今回の合意を受け、今後、必要な手続きが完了され次第、中国への輸出が再開されるということです。

ただ、福島や宮城、東京など10都県は、対象外となっています。

宮城県内の漁業関係者からは、落胆の声が聞かれました。石巻魚市場は、禁輸前には中国に中華食材となる干しナマコを年間で100トンから200トン、金額で8億円から10億円輸出していました。

石巻魚市場 佐々木茂樹社長:
「ナマコは北海道が一番とれるので、北海道のナマコが輸出再開で中国に常時流れるとなると、宮城の品物が必要ではなくなる。市場から宮城県が外されるような形になっていくのではないかと心配が大きくなってきている。政府には今回対象外となった都県に対しても、禁輸措置を解除してもらうように中国に働きかけてもらいたい」

気仙沼港 漁業者:
「おかしい話しとか言いようがない」

気仙沼港 漁業者:
「中国への販路を断たれた後に、新しい販路を構築してやってきている。日本にとってマイナスになるような取引条件のなかで、水産物を輸出するのは考えものだと思う」
宮城県が輸入再開の対象外となったことについて、県は「非常に残念。今後も国への要望を続けていく」とコメントしています。