う回融資に隠蔽、多額の横領…前会長が“絶対的な存在”
今回、指摘された内容は以下の通りです。
認定された事実として、前会長を始めとする旧経営陣が、業績がよくない大口の融資先の経営を支援するため、不正に資金を流用しました。その方法として、実態のない企業を通じたう回融資や、顧客に無断で口座を作る方法があげられています。
また、発覚を逃れるため、こうした不正を行う役員を歴代引き継ぎ、自己査定の基準に触れないよう融資額を調整して、隠ぺいしてきたとしています。
また、組合内で起きた横領についても指摘しています。組合の支店で多額の横領が起きたにもかかわらず、その職員を処分せずに、通常勤務させたことで、さらなる横領を招いたと指摘。信用組合は、この事実も金融庁に報告していませんでした。
不正の背景に、何があったのか。命令の中で、東北財務局は「長期にわたり会長を務めてきた江尻氏が、絶対的な存在となっていた」「事実や法令順守よりも上意下達を絶対としてきた企業風土が背景」とし、「本来は規範となるべき経営陣がコンプライアンス意識を欠き、組織全体に順法精神が根付いていない」と厳しく指摘しています。
こうしたことを踏まえ、東北財務局は、一連の不祥事の経営責任を明確にすることや、無断で開設した口座の名義人への説明とともに、30日に予定されている第三者委員会の報告書よりも、さらに徹底した事実関係の精査と真相究明を求めました。
地域の経済を支える信用組合に出された、非常に厳しい処分。徹底した真相究明がなされなければ、再起も難しいと言えます。