福島県内では今年に入り、交通事故の発生件数が去年の同じ時期と比べておよそ400件増えています。こうしたなか、県内で起きた交通事故について学生が分析・研究の結果をまとめ24日報告しました。

県警察本部に交通事故の分析結果を報告したのは、福島学院大学の学生およそ30人です。福島学院大学では、授業の一環で過去5年間の県内で起きた交通事故をテーマに研究を行いました。

県内では今年に入り交通事故が2410件発生していて、去年の同じ時期と比べて386件増えています。また去年は0だった飲酒運転事故による死者は6人に上っています。

飲酒運転事故の分析を行った班の発表では、飲酒場所は自宅が最も多いことが報告されました。この結果について学生は「自宅は気が緩みやすいため飲酒後でも日常のルートや短距離での運転ならできると考えてしまうのではないか」と分析しました。

【発表した学生】
「ちょっとしたことでも自分たちの気のゆるみとか周りが注意をしていかなくてはならないとすごく思った」

県警察本部では学生たちの分析結果を今後の対策の参考にしたいとしています。

では興味深い分析があったのでご紹介します。
分析した学生たちによると、高齢者が加害者もしくは被害者になった事故は秋から冬にかけての10月から12月に多い傾向があったそうなんです。これは日没が早くなることや、雨が降りやすい時期で天候の要因が大きいのではないかと分析していました。



そしてこの分析から学生たちが考えたこの期間の高齢者の事故を減らす1つの方法として、秋の全国交通安全運動の期間を長くすることを提案していました。ちなみに秋の全国交通安全運動は毎年9月21日から30日までの10日間ですが、事故の多い10月の前に終わってしまいます。なので学生たちはこれを5日間ほど延長して10月以降も啓発活動を強化すべきだと話していました。



今回分析を担当した福島学院大学3年の勝倉朋央さんは「高齢者の事故を減らす方法として免許の返納が取りあげられがちですが、それだけでなく交通安全を守る意識の醸成を図っていくことも重要だと思う」と話していました。



県警では今回の発表を事故の防止対策に生かしていきたいとしているのでこういった学生たちの分析が交通事故の減少に貢献するかもしれません。