『斎藤知事指示の可能性高い』。兵庫県の“私的情報漏えい”で動きです。

元総務部長は県議3人に“口頭で漏らした”と認める

 弁護士らによる調査の結果が5月27日、公表されました。斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発した元県民局長の公用パソコンに保存していた私的情報が漏えいした問題。いきさつを調査してきた県の第三者委員会は、元総務部長で知事の側近とされた井ノ本知明氏が、去年4月、計3人の県議に対して私的情報を印刷した資料を見せるなどして漏えいしたと認定しました。

 報告書によりますと、当初、第三者委員会に対して漏えいを否定していたという井ノ本氏。しかし、今年2月に提出した「弁明書」で、一転して、県議3人と面会し口頭で私的情報を漏らしたと認めたということです。さらに、井ノ本氏は弁明書に、新たに次のような主張を付け加えていました。

 『知事および元副知事の指示に基づき総務部長の職責として正当業務を行ったにすぎない』

 斎藤知事と片山安孝元副知事から、漏えいの指示を受けたというのです。これを受けて第三者委員会は、その場に同席したという元幹部職員らに聴き取り調査を行ったということです。

 元幹部職員は、元県民局長の私的情報について、斎藤知事から井ノ本氏に対し「議会に根回ししたらいいんじゃないかという趣旨の発言があった」などと証言。そして、片山元副知事も自身による根回しの指示を認めたということです。

 斎藤知事は全て否定したということですが、第三者委員会は「知事および元副知事の指示のもとに行われた可能性が高い」と結論づけました。

 (第三者委員会 工藤涼二委員長)「正直に言って、そういった結論を出すことが、社会的にどういうインパクトがあるかわからないわけではないので、1つの大きな決断だった」

 県は井ノ本氏について、27日付けで停職3か月の懲戒処分を出したと明らかにしました。