さて、みなさんクリオネをご存じでしょうか。北の海の生き物で、天使のようなかわいらしい姿が印象的ですよね。このクリオネの仲間が、鹿児島県長島町の港に大量に現れました。
海面に何やら小さな動きが。水槽を入れてすくってみると、中にいたのは…。
クロっぽい色をした丸い生き物が、たくさんいます。直径は1センチほど。透明な「翼」を羽ばたかせて泳いでいます。その下には2センチほどの「触覚」がついています。
地元で観光グラスボートを経営している岩崎明さん(73)と息子の謙治さん(37)によると、10年ぶりに姿を見たそうです。
(岩崎明さん)「一生懸命、2本の手で泳いでいるのが可愛いですね」
(岩崎謙治さん)「そのうち流れていくでしょうけど、見られるうちに、よく観察しておきたいと思います」
クリオネに似た、この生き物。一体どこからやってきたのでしょうか。かごしま水族館で映像を見てもらいました。
(かごしま水族館 吉田明彦さん)「クリイロカメガイという生き物。大海原にプカプカ浮いていて、気象条件によって岸に寄せられるときに大量になる。鹿児島でも度々見られる生き物」
クリイロカメガイは巻貝の一種で、クリオネのいわば“遠縁”にあたります。日本各地の海を漂流しているため、運が良ければ近くの海でも見られるかもしれないということです。
かごしま水族館によりますと、このクリイロカメガイは定置網に入った場合、網の中の魚を傷つけてしまうおそれれがあるものの、大量発生による漁業被害はこれまでにないということです。