長野県内にはおよそ80の酒蔵があり、新潟に次ぐ酒どころです。食用米の不足と高騰によって、県内の酒造りにも影響が広がっています。

江戸時代から350年以上(創業1662年)酒を醸し続けてきた諏訪市元町の宮坂醸造。
社長の宮坂直孝さんは、昨今のコメ不足の影響で酒蔵は三重苦の状況に陥っていると話します。
宮坂醸造 宮坂直孝社長:「どんな種類のコメをこの秋に買えるのか、どのくらいの量を買えるのか、価格がいくらになるのか全然わからない、三重苦の状況でこれでは何の計画も立てることができず大変に困惑しています」

酒蔵は、9月から始まる酒造りに向けて今の時期、生産・販売・経営計画を練るタイミングですが、現時点で全く見通しが立っていない状況に陥っています。
また、日本酒の風味の命ともいえる酒造好適米いわゆる酒米は、食用米よりも生産の手間がかかり、収穫量も少ないため価格も高く設定されていました。
しかし、今回のコメ騒動による食用米の価格高騰を受け、これまで酒米を作ってくれていたコメ農家が食用米への転換を進める動きが見られるといいます。